欧米では、エリートという言葉はマイナスのイメージをもたない。
権利を享受すると同時に、ちゃんと責務のほうも果たしている人間をエリートと呼ぶからだ。そして、この責務の第一が、必要とあれば武力さえ行使して人びとを守ることであった。
塩野七生『再び男たちへ』
ジーパンの似合う男が必ずしもタキシードも似合うとは限らないが、タキシードの似合う男は、絶対にジーパンも似合う。
塩野七生『男たちへ』
他の職業人に比べて政治家が非難されやすい理由の一つは、政治とは誰にでもやれることだという思い込みではないだろうか。
(…)政治となると、選挙では誰もが一票を投ずる資格をもつとされている。
でないと、反民主的と非難される。
塩野七生『悪名高き皇帝たち』
現実主義者が憎まれるのは、彼らが口に出して言わなくても、彼ら自身そのように行動することによって、理想主義が、(中略)理想を実現するには最も不適当であるという事実を白日のもとにさらしてしまうからなのです。
塩野七生『海の都の物語』
なぜか日本人は、信長は大好きなくせに、比叡山焼打ちや一向宗徒との対決は、テレビ番組を見る限り、いつも逃げている。
(中略)一時の残酷は、長々と尾を引く一見寛容な行為よりも残酷ではない場合もある、という歴史の真実を知らないのであろうか。
塩野七生『男の肖像』
国内に不安をもつ支配者は常に、対外関係を確かなものにしようと努める。
塩野七生『ローマ人の物語』